2025.10.17【専門用語解説 Vol.2】「真壁造り」と「大壁造り」の違いとは?
~壁のつくり方で変わる、家の表情と性能~
家づくりの図面や説明の中で、よく耳にする「真壁(しんかべ)造り」と「大壁(おおかべ)造り」。
どちらも壁の仕上げ方の種類ですが、見た目だけでなく、構造や断熱性能、デザイン性にも関わる大切な要素なんです。
今回はこの2つの違いを、わかりやすくご紹介します。
◆ 真壁造り(しんかべづくり)とは?
真壁造りとは、柱や梁が壁の表面に見えるつくり方のこと。
日本の伝統的な木造建築に多く見られる工法です。
壁の中に柱を隠さず、柱の間に壁(塗り壁や板壁など)を仕上げるのが特徴です。
<真壁造りの特徴>
- 木の柱や梁が見えて、“和風”の趣がある
- 木の質感や経年変化を楽しめる
- 壁の厚みが薄く、部屋をやや広く使える
- 一方で、断熱や気密性の確保がやや難しい
<こんな方におすすめ>
- 和室や古民家の雰囲気が好き
- 自然素材を活かしたデザインにしたい
日本家屋の温かみや味わいを大切にしたい方にはぴったりです。

◆ 大壁造り(おおかべづくり)とは?
大壁造りとは、柱や梁を壁の中に隠すつくり方のこと。
現在の住宅では、こちらが主流になっています。
壁の下地に石膏ボードなどを貼り、その上からクロスや塗装で仕上げるため、柱は見えません。
<大壁造りの特徴>
- 柱が見えないので、すっきりとした現代的な印象
- 壁の中に断熱材や配線を入れやすく、断熱性・気密性が高い
- 壁面がフラットなので、家具やインテリアの配置がしやすい
- 反面、木の質感を感じにくい
<こんな方におすすめ>
- 洋風・モダンな空間が好き
- 省エネや機能性を重視したい

◆ 見た目だけじゃない、性能面の違いも
真壁造りは木が表に出る分、湿度を調整したり、呼吸するような自然な快適さがあります。
一方で大壁造りは、断熱材や気密シートをしっかり施工できるため、冬の寒さや夏の暑さを軽減できます。
つまり、
「自然素材の温もりを感じたい」→ 真壁造り
「快適性や省エネ性能を重視したい」→ 大壁造り
というように、暮らし方の考え方で選ぶのがポイントです。
◆ まとめ:どちらも“良い家づくり”のための方法
「真壁」も「大壁」も、どちらが優れているということはありません。
お住まいのスタイルや目的に合わせて選ぶことで、理想の空間づくりができます。
最近では、真壁造りを一部取り入れた大壁造りなど、
両方の良さを活かすハイブリッドな施工も人気です。
井戸川建築では、お客様の暮らし方や建物の性能バランスを考えながら、最適なご提案をしています。
「我が家はどっちが合うの?」と迷ったら、ぜひお気軽にご相談ください。